週報20241116「ユビキタス・コンピューティング」

ど萌5

ハックには、ずっと憧れがある。ここでの「ハック」は、シュタゲで言えばSERN侵入よりも、むしろ電話レンジ発明のようなハック。市販品を買い、調べ、改造し、新たな意味を持たせる。ハックとはブリコラージュそのものだ。そういった営為に美しさを感じる。

ハックにおける「改造」プロセスを支えているのは、それなりの入出力をそなえたマイコンだ。

趣味としてしか電子工作に関わったことはないが、マイコンをめぐる状況はAVRとかPICとか言ってたころとは大幅に変わったと思う。動作周波数やメモリの容量が増えたのはもちろんだが、できることも格段に増え、しかも安くなった。

最近買ったマイコンを2つ紹介する。

RP2040

RP2040は、あのラズパイで有名なRaspberry Pi Foundationによって作られたマイコンだ。 これのすごいところは、プログラム書き込み。BOOTSELボタンを押しながらPCとUSB接続すれば、なんとストレージとして認識される。USBメモリにデータを保存するかのように、コンパイルして出力されたuf2ファイルをポンとコピーすれば、そのままそれが動く。この驚くまでの分かりやすさは学校教育なんかにはもってこいだろう。趣味でマイコンを学ぼうとする初心者が、プログラムを書き込めず投げ出さないようにこうしたんだろうと勝手に想像する。

ESP32-C3

ESP32-C3は、ESP32シリーズのWi-Fi・Bluetooth内蔵マイコンだ。これのよい点はもちろん・Wi-FiやBluetoothを扱えるところ。切手サイズのマイコンボードからWebサイトをホストすることもできる。そう考えると、なんだかんだ、無線通信にはまだ夢があると思わせてくれる。すれちがい通信を自分で作ってみたくて買った。

ツイッターで流行った言説の一つに、「顧客が欲しいのはドリルではなく穴」という話があった。それをもじって言えば、「顧客が欲しいのはマイコンではなく信号」なのだ。現実をプログラミングするための言葉として信号があり、それを手っとり早く得るためのマイクロコントローラ。

こんなことばかり言って、家にE-wasteが積み重なっていくのを正当化しているのである。

おわり